大道具編E 〜装置に色を!〜

やはり舞台装置としては最終的にケコミなりペイントなりをして色をつけないことには手抜きであるし、効果も今ひとつである。 実際、木の色をそのまま使いたかったと言っても、そのままなにも手を加えずに舞台に上げてしまってはいけないのである。
では、どのように色をつけたら良いだろう。それを説明していく。
1.新聞紙を貼ろう
色を塗る下ごしらえとして、新聞紙を張る。なぜ新聞紙を張るのかというと、
1. ペンキの伸びが良くなって経済的!(←重要)
2. 同じ工程を繰り返すことによって、塗ったときの質感が何回再利用してもあまり落ちない。
3. ペンキが定着しやすい

等のメリットがあげられる。
では実際どのように張るのかと言うと、
@ 新聞を見開き1枚を16分の1か8分の1くらいに切る。というのはあまり大きくても小さくても扱いずらいからである。
A バケツに木工用ボンドを入れ、水でうすめる。水の量はだいたいボンドの3分の1くらいである。触った感じとしてはドロっとしすぎず、さらっとしすぎずという感じだろうか。ちなみにボンドは1Kg単位で買ったほうが良い。
B パネルと新聞にボンドを満遍なく塗る。この時、バケツの中に新聞を入れてしまっても良いかもしれない。
C 塗ったボンドが乾かないうちに新聞紙をパネルにきれいに張りつける。この時、図1のように新聞紙にしわが寄ったり、空気が入ったりしないように気をつけることが大切である。なぜなら乾いたときに、しわや空気の入っている部分から新聞紙が破れてしまうからである。また、図2のように1cmほど重ねて張ると、新聞紙がはがれにくくなる。
図1 図2

2 色を塗る
さて色を塗るわけだが、いったい何で塗れば良いだろうか?
もちろん、図工た美術の時間に使うような絵の具ではない。確かに色もたくさんあって使い勝手は良いが、コストが高くなってしまう。
お勧めの物としてはターナー色彩から販売されている商品で、500mlの缶で売られている『ネオカラー』だ。 これは水性なので基本的な使用方法は絵の具と同じだし、色も多数用意されている。 (ちなみに教授はターナー色彩の回し者ではないです(・・;)

広範囲に同じ色を塗る場合は短時間に一気に塗ってしまうほうが良い。1日作った塗料をほおって置いただけでも水分が蒸発し、色に違いが出てしまうのだ。

使い方は基本的に絵の具と同じである。
@ネオカラーを水で溶く 絵の具で絵を描く場合は使う量が少量が少ないためパレットの上でやれば良かったが、パネルに塗る場合はそうもいかない。
そこでバケツにネオカラーを少々入れ、そこに水を加えるというやり方をすると良いだろう。
そうすることで一気に大量に作ることも出来るし、大きなハケを使っても問題はなくなる。
この時注意することはちょっと多めに作ることと、 水を多くいれ過ぎないことである。
少く作ってその色が足りなくなってしまった場合、同じ色を作るということは至難の技であるからだ。
A試し塗り 色を混ぜても混ぜなくても是非この作業はやってもらいたい。 バケツの中の液体の色と塗って乾いた時の色とでは差があるからだ。 だから先ほどパネルに貼るために作った新聞紙のあまりでも良いので一度試し塗りをして少し乾かし、 出来あがった色を確かめる必要があるのである。
B本塗り 色が出来あがったら後は一気に塗ってしまおう。このとき注意することはなるべく一方向に塗ることである。 最初上から下へ塗ったのであるなら次も同じようにしなければならない。塗り後の方向が不ぞろいだと、キタナイな舞台装置に見えてしまうこともある。これは複数のパネルを作るときにも言える
C乾燥 塗り終わったらあとは乾燥である。さほど心配はいらないが、なるべくなら平らで日のあたらない場所に寝かして 乾かしたほうが良いだろう。日なたでは木材自体がそってしまうかもしれないし、壁に立てかけておくと塗料が下のほうにたまってしまう(あまりに水分が多い場合は特に)かもしれないからだ。