照明編@〜照明とは〜

1.照明とは

いきなり本題のようだが、照明という仕事を行う上で最も重要な部分であろう。
照明は簡単に言うと明かりである。つまり、役者を照らし出す地の明かりである。
しかし、照明がこれだけの役割であるならわざわざ照明という役職はいらないし、そもそもブース(調光などを行う場所)も必要ない。このページを見る前にすでにイメージをしていると思うが、演出上で様々な役者の心理的な表現を表したり、シーンの雰囲気を表現したりするのが大きな役目である。
ただ注意しなければいけないのは、照明の役割は役者の顔を見せるということが最も重要である。
客は役者の顔が見えないということで、言っている台詞の感情が読みにくくなってしまう。
結果として、客が疲れてしまい、芝居を観てくれなくなってしまう可能性が出てきてしまう。

2.照明の種類

それぞれの舞台の設備によってあったりなかったりするが、基本的な部位を説明する。


@サスペンションライト(sus)
舞台の真上にあるライト。基本的にはバトンに取り付けてある。地明かりで使うほか、スポットライトとして人を明かりで抜いて使うこともできる。
用例:トップサス・バックサス

Aシーリングライト(cl)
舞台のすぐ前、上部にあるライト。地明かりとして使用することが多い。正面上部から光をあてることができる。

Bフロントライト(fr)
客席側上部にあるライト。基本的に地明かりとして使用する。ゼラを入れて、色を使い分けて使用することもできる。

Cボーダーライト(bo)
舞台の前上部にある一列に並んだライト。基本的に地明かりとして使用する。

Dサイドスポットライト(ss)
横から光を当てるスポットライト。暗い中に人だけを浮き上がらせるような効果を出すことができる。

Eコロガシ
サイドスポットライトの燈体だけのような感じのもの。

Fフットライト
舞台のすぐ前、下部にあるライト。舞台上にあることが多い。基本的には下から顔などを照らすのに使われる。

Gロアーホリゾントライト(lh)
舞台最後ろにあるホリゾント幕専用のライトの下側。

Hアッパーホリゾントライト(uh)
舞台最後ろにあるホリゾント幕専用のライトの上側。

Iフォロースポットライト・ピンスポットライト
主に客席側から役者の動作などに合わせて抜くことのできる照明。自在に動かせることが特徴だが、遠くから当てるので、少しのブレでも気になってしまう欠点がある。

3.用語

照明を考えていく上での基礎用語をいくつか挙げる。

フェードイン(F.I.) 徐々に照明をつけること。
フェードアウト(F.O.) フェードインとは逆に徐々に照明を落としていくこと。
クロスフェード(C.F.) フェードインとフェードアウトが同時に行われる事。音響との関連で使うこともある。
カットイン(C.I.) すばやく照明をつけること。
カットアウト(C.O.) 照明をすばやく落とすこと。